The head up display (HUD) is becoming increasingly common in the aerospace field because it has many benefits such as enabling operations in poor visibility and improving flight safety. The HUD is a kind of augmented reality display that enables a pilot to observe the scene outside the cockpit while simultaneously viewing an artificial image of flight information. However, the HUD is too expensive and heavy for light airplanes. In this paper, we propose a new method to combine real and artificial images using Retro-reflective Projection Technology and rotating objects, and we apply the method to an airplane with a single propeller to compose a simple HUD. In this report, we also describe the developed system and preliminary experimental results.
近年,オーグメンテッドリアリティ(AR)の技術は注目を集めており,医療,エンターテイメントなど様々な分野において利用される事例が増加している.航空分野においても同様の状況となっており,例えば,航空機のワイヤリングガイドシステムや,メンテナンス訓練システムなどいった形で利用が広がりつつある.また,近年大型の民間旅客機の間で普及しつつあるHead Up Display(HUD)も,ARシステムの一つとして挙げることができよう.一般的に航空機用のHUDは,CRTにより生成される映像をレンズ系を用いて無限の遠方に投影し,コンバイナを利用して現実の映像と合成する,という構造になっている.これを利用する事により,パイロットはコックピットの外を監視しながら,同時にHUD上に表示される計器やその他の情報を監視する事が可能となる.このため特に着陸時など外部監視要求の高まる状況下に於いては,HUDを利用する事により視線移動量を削減し,パイロットの作業負荷を軽減する事が可能となる.さらにHUD上にバーチャルな滑走路や水平線,そして機体姿勢情報などを描画する事により,視界不良時の安全性向上や,状況認識能力の向上,といった効果がある事が知られている.このような利点がある一方で,価格や重量の問題から,HUDは小型機の間ではあまり広まっていないという問題がある.しかし小型機の事故率は大型機の事故率と比較して高い事が知られており,小型機を対象とした安全性向上のための安価なシステムに対する要求は高いと考えられる.そこで我々は現実世界の景色と各種飛行情報とを融合して表示可能な,プッシャー型単発プロペラ機のための安価なARシステムの構築を目指す. 本研究では再帰性投影技術を利用することにより,ARシステムの構築を行っている.
Publications:
- 野嶋琢也,梶本裕之: プロペラと再帰性投影技術による飛行情報表示装置の研究, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌,Vol.13, No.2, pp.217-225,2008. (PDF)
- Takuya NOJIMA, Hiroyuki KAJIMOTO, “A Study on a Flight Display using Retro-reflective Projection Technology and a Propeller”, Extended Abstracts of 26th Computer Human Interaction(SIGCHI), 5-10, April, pp. 2721-2726, 2008. (PDF)
Patents:
- 野嶋琢也,梶本裕之,「再帰性投影ヘッドアップディスプレイ」,特開2009-251027