スポーツにおいて応援は,観客と選手の間で許された数少ないインタラクション手法である.従来は音声による応援が主流であったが,例えばブラインドスポーツでは応援音声が試合進行の妨げになるなど,必ずしも常に応援が許されているわけではない.本研究ではまずブラインドサッカーを対象として,選手とサポーターの間での応援支援を可能にする,非音声応援支援ウェアラブルシステムについて報告する.
観客用デバイス:
観客デバイスは腕時計型となっており,腕時計ほどの大きさと重量である.このデバイスは加速度を測定し無線でサーバに送信しており,観客は手首に装着し腕を振る動作で応援することができる.
選手用デバイス:
選手用デバイスは選手が上腕部にバンドで装着する.プレイ中の接触で危険の及ばないよう砲弾型のデザインとした.観客からの応援を受信すると応援音声を骨伝導ヘッドホンによって再生し,装着者を応援する.骨伝導ヘッドホンから流れる応援音声はスタジアムでの実際の声援であり,ブラインドサッカーボールから発する鈴の音の音像定位に使われる2kH以上をカットする加工を施した.
Publications:
- 皆川太志,野嶋琢也: Cheer Across:応援伝達デバイスによるスポーツ応援の拡張,第2回超人スポーツ学術研究会,SHS01-13, pp. 43-46, 2016.
- 皆川太志,安藤良一,武田港,正木絢乃,南澤孝太,野嶋琢也: Cheer Across:応援伝達デバイスの開発,第20回日本バーチャルリアリティ学会大会予稿集,33C-5,pp.461-462,2015.(PDF)